登山用レインウェアの選び方
レインウェアとひとくくりにしてしまうと様々な種類のレインウェアが存在します。自転車用のレインウェア、オートバイ用のレインウェア、作業員用のレインウェア、スポーツ観戦用のポンチョ、コンビニで購入できるような簡易レインウェア、そして登山用のレインウェアとその用途によってさまざまなものが存在します。基本的にそれぞれの用途に応じて最適化された設計・デザイン、価格設定がなされています。
晴れの日限定条件付きのお試し登山のレベルであれば登山用以外の用途のレインウェアでも許容できるできますが、今後継続的に登山を楽しもうとされる方であるならば、登山三種の神器のひとつとも言われる登山用のレインウェアの購入をおすすめします。
結果が先に欲しいとおっしゃる方のために申し上げますと、上下セット定価で2万円~3万円程度の登山用レインウェアを持っていれば普通の趣味登山レベルであれば十分事足ります。
冬季のアルプスを縦走する等、より過酷な条件を目指す場合には物足りなくなります。この場合はレインウェアより上位の「ハードシェル」が存在します。こちらはメーカーやグレードによっても違いますが3万円以上するのがほとんどで、10万円近くするものまであります。基本的に上半身のみ単体のもので、下半身用は別売りとなります。
予算的にちょっと・・・という方には機能を多少犠牲にした1万円程度からの廉価版を用意しているメーカーもありますので、登山用品店を一度訪れてみることをおすすめします。ひとえに登山用レインウェアといっても多種多様取り揃えているので自分の目で確かめながら選択すれば良いでしょう。尚、店員さんに聞くと間違いなく2万円~3万円のものを進めて来ると思われますので予め覚悟してください(笑
言い換えると2、3万円帯のレインウェアは趣味登山用としてそれほどバランスが良いということです。
では、登山用レインウェアとして最適化された機能とは何でしょう。ポイントは主に5つです。
1)雨量、風の影響を考慮した上で雨水の侵入を避ける
2)運動の発汗による蒸れを極力おさえる透湿性
3)動きの妨げにならない
4)コンパクトで軽量である
5)そこそこ丈夫で破れにくい
登山は歩き続けることが前提となりますのでレインウェアを着て歩き続けた場合においても蒸れることなく快適であることが登山用レインウェアの目指す大事なポイントとなります。そこで出てくるのが「防水透湿性」のある素材です。
聞いたことがあるかもしれませんがゴアテックス(GORE-TEX)という素材がそれに当たります。そのほかいくつかのメーカーが競合ししのぎを削っています。DRY.Q、eVent、ポーラテックといった素材がそれにあたります。
マニアックな話題としてはどの素材のほうがどうのこうのと比較論が繰り広げられます。趣味登山レベルでざっくり言うとどのメーカーの素材でもそれほど遜色ありません。この「防水透湿素材」が採用されている結果2~3万円がメジャー価格帯になっているということなのです。そういう意味で価格帯で答えを先に述べた次第です。廉価版の場合だけ性能に差が生じるだけです。
購入する際には試着をすることをおすすめします。これはサイズ感が登山用レインウェアの機能を全うするために重要な事だからです。
サイズ選択のポイントを3点だけお伝えしておきます。
1)多少厚着した上から着ても動きやすいこと
2)太ももが水平になる程度足を上げた際にでもシューズにかかる程度の長さを確保できていること(脚長の方の場合はゲイターによる補助を考慮)
3)トレッキングシューズを履いたままレインパンツが着脱できること(足の大きな方の場合これができないことがあります)
以上、サイズ感を満足させた上でどのグレードを選択するか検討されればレインウェアの選択は十分と言えるでしょう。